Interview Vol.15

株式会社電通

アウト・オブ・ホーム・メディア局 プランニング&プロデュース2部 GM

平松 兵衛

  • Theme1

    Tokyo Primeの強みや提案ポイントについて

    • 事業内容含め簡単な自己紹介をお願いいたします

      株式会社電通の平松兵衛です。私の所属するアウト・オブ・ホーム・メディア局(OOH局)は、メディア・コンテンツ領域、
      その中でも主に生活者が自宅以外での移動・行動時に目にする事の多い、街や公共交通機関、商業施設等を使ったメディアプランニングやメディアバイイングを行う部署になります。
      特に私の部は広告主の皆さまの課題に合わせたプランニング、提案の機能を担っております。

    • 広告代理店様が考えるタクシーサイネージやTokyo Primeの強みを教えてください

      タクシーサイネージの強みとしては、大きく3つあると考えています。

      まずは、高い強制視認性を持って広告接触されることが期待できる媒体環境です。
      他のOOH媒体が基本的に 媒体:1 対 生活者:複数(n) という構図である事に対し、タクシーサイネージは限りなく1対1に近い空間で広告を掲出できます。
      更に音声が流れる事と長尺素材の放映ができる事、広告面そのものとの物理的な距離の近さもあり、広告接触環境として非常に魅力的だと考えています。

      2つ目は、広告到達規模の把握が行いやすい媒体設計です。
      乗車後のメーター作動に合わせて放映が始まるため、実際の広告露出回数や到達の規模感を実態に即して捕捉できると思っています。結果、到達コスト等の把握が行いやすく、広告主の皆さまへ説明しやすい媒体だと感じています。

      もう1つは、タクシー利用者の傾向から見える、媒体のキャラクター性だと思います。
      ビジネスパーソンや富裕層の利用割合が高く、特に東京23区では男性の20-40代の利用が高いといった特徴は、媒体実施判断時の重要な材料の1つになっています。

      TokyoPrimeとしての強みとしては、やはりネットワークの広さがあると思います。
      ターゲット(≒絞り込まれた特定の生活者)のなるべく多くに広告を届ける事を狙うと、やはり一定規模のネットワークの大きさが必要です。
      業界最大手の日本交通さんをはじめとした全国12都市に広がる媒体網があり、キャンペーンの状況によって実施エリアを選べる設計は強みだと思います。
      また、多くのパートナーとの連携やオリジナルのコンテンツ開発による広告面のリッチ化への取り組みを続けられている事も、媒体イメージの向上につながっていると思います。

    • どのようなクライアント様に提案いただくことが多いでしょうか

      タクシー利用者の特徴に合わせた、BtoBサービスのクライアントや、業績を伸ばしているスタートアップ企業の皆さまへ提案をおこなったり、お問合せを頂く事がやはり多いです。
      ビジネスパーソンの利用割合が高い掲出環境という事で、導入意思決定者や経営者の方への直接の広告到達を期待するとともに、
      広告主の皆さまが営業活動を行う際の支援施策として機能
      する事も期待されています。
      比較的新しいサービスや製品に対する世の中の認知を短期間で高める事を考える場合、当然マス媒体(テレビ等)や電車内ビジョンといった大きなリーチが期待できる媒体は複数ありますが、媒体費用の値ごろ感やタクシー利用者に特徴がある事を理由に、指名頂く事も少なくないです。

    • クライアント様に提案する際の提案ポイントを教えてください

      タクシーサイネージ単体を指名でご購入頂く場合を除くと、(時にはOOH媒体以外も含む)他の広告メニューと何らか比較検討を行うのが一般的だと思います。
      コスト効率比較はその代表ですが、単純に単価比較を行うだけでなく、実際の媒体が掲出されるときの接触態度やよく出稿されている他社の傾向といった、各媒体の質や環境に関しても言及するようにしています。
      自身のタクシー利用時を思い出しても、他のOOH媒体に比べて専念視聴されている割合は高いと思いますし、
      他の広告ノイズが少ない環境はBtoCの広告主のキャンペーン、ブランディングの場としても可能性がある
      と思っています。

  • Theme2

    Tokyo Primeの評価点について

    • 実際にご提案いただいたクライアント様に評価いただいた点を教えてください

      出稿に合わせて行った効果調査の結果から、タクシーサイネージの広告認知規模だけでなく、認知した人の行動変容(実際に検索行動や購入等に至った人の割合)が非常に高く良かった、という定量的な面で評価を頂いたことがあります。
      またBtoBサービスを提供している広告主さまの中で、広告主さま社内及びそのお取引先の方から「タクシーの広告を見たよ!」という声が複数あり認知の高まりを実感する事が出来たという、定性面での評価を頂けたこともあります。
      結果、一度ご実施頂いた広告主さまから、再度タクシーサイネージの活用を検討したいとご連絡頂く事も少なくないです。
      広告主さまからタクシーサイネージを指名で再購入頂く事もあり、これは何よりの評価だと考えています。

  • Theme3

    期待していること

    • 今後期待していることなどあれば教えてください

      これまで「日常」とは、文字通りあまり変わらず繰り返していくものだと漠然と考えていました。新型コロナウイルスの影響もあり日常が新しく大きく変わってしまった中、広告の力で課題を解決していくために、やはり根拠となる数値や指標の拡充がOOH媒体全般としての課題だと思っています。
      タクシーサイネージに関しても、広告の露出回数は「延べの回数」として実測把握できますが、実際に広告到達した「ユニーク人数」の把握となると、まだ推計値になると思います。このリーチとフリークエンシーの関係が正しく補足できるようになると、最適投下量や期間の議論がより深まると思っています。また他の媒体との比較も行いやすくなり、タクシーサイネージがプランニングの選択肢として登場する機会がより多くなるのではと思っています。
      またタクシー利用前後の行動や思考・嗜好、購買行動を含めた生活者の移動・行動全体を俯瞰できるようになる事で、利用シーンやモードに合わせ最適化された広告接触の場を創出できると思いますので、ID連携による生活者の深堀は是非追求して頂ければと思っております。
      BtoCの広告主の皆さまに提案・活用頂く際の強い根拠になりますし、更にタクシーサイネージの価値を高める事になると期待しております。